価格の高い石は本当に「よい石」?
―墓じまい後の処分問題と行政書士のサポート―
お墓を建てるとき、「いい石を使えば長持ちする」「高い石なら安心」と考える方は多いでしょう。確かに、品質の高い石材は見た目の美しさや耐久性に優れています。しかし、時代が変わり、「墓じまい」という選択をする人が増える今、「高価な石=良い石」とは一概に言えない現実があります。
高価な石の落とし穴
高級石材は硬度が高く、吸水率が低いことが特徴です。磨けば長年美しさを保てますが、その反面、重量があり、撤去や運搬が非常に大変です。
墓じまいを行う際には、お墓を解体し、石を撤去・処分する必要があります。このとき、石の種類や量によって処分費用が大きく変わるのです。
「高価な石だから再利用できるのでは?」と思われる方もいますが、実際には墓石は一度彫刻されてしまうため、再販できるケースはほとんどありません。結果として、立派なお墓ほど処分費が高くつくという皮肉な状況も起こっています。
墓石の処分は「産業廃棄物」
墓じまいで撤去した石は、一般ごみとして捨てることはできません。法律上、墓石や外柵などは産業廃棄物に分類され、専門の許可を持つ業者でなければ処分できない決まりになっています。
この点を知らずに、無許可業者に依頼してしまうと、不法投棄などのトラブルにつながるおそれもあります。後から責任を問われることもあるため、処分先の確認は非常に重要です。
処分費用とトラブル回避のポイント
墓石処分の費用は、石の種類・大きさ・場所によって異なります。一般的な和型墓石なら10万~20万円ほど、洋型や大型墓石では30万円以上かかることも珍しくありません。
「安く済ませたい」と思っても、無許可業者に依頼すると違法処理のリスクがあるため、必ず正式な許可を持つ石材業者を選びましょう。
そして、こうした業者とのやり取りや、行政への改葬許可申請(お墓の移転手続き)などは、行政書士に相談することでスムーズに進められます。
行政書士ができるサポート
行政書士は、墓じまいに伴う改葬許可書類の作成・提出を行える唯一の国家資格者です。
また、墓地管理者・寺院・石材業者など、関係先との調整もサポートできます。「どこに相談すればよいかわからない」「処分先の証明が必要」といったときも、行政書士が間に入ることで安心して進められます。
特に、墓石処分が産業廃棄物になることを知らずにトラブルになる例は少なくありません。行政書士は、法律的な根拠をもとに正しい手順を案内し、安心できる墓じまいを実現します。
まとめ
お墓の石が高価であることは、長い年月をかけて大切に守ってきた証でもあります。しかし、そのお墓を整理する際には、石の価値よりも処分の現実を考える必要があります。
墓石は産業廃棄物として扱われるため、正しい手続きと信頼できる業者選びが欠かせません。
もし墓じまいを検討されている方は、まず行政書士へご相談ください。法的にも実務的にも、安心して「次の世代へ負担を残さないかたち」を一緒に考えるお手伝いをいたします。
兵庫県を中心に、墓じまい・改葬・永代供養のご相談は、
行政書士室井実事務所へ。
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ご家族の「安心」を形にいたします。