お墓の向きはどちらがいい?北向きはダメ?──墓じまい・建て替えの前に知っておきたいこと
お墓を建てたり、墓じまいをきっかけに新しい納骨先を考える際、意外と多くの方が悩むのが「お墓の向き」です。
「南向きがいいって聞くけれど、なぜ?」「北向きはよくないの?」「方角に決まりはあるの?」など、疑問の声をよく耳にします。
実は、お墓の向きには明確な法律上の決まりはありません。しかし、昔からの風習や宗教的な考え方、そして地域の慣習によって“良し悪し”が語られることが多いのです。
今回は、そんなお墓の向きについての考え方と、墓じまい・改葬の際に注意すべきポイントを行政書士の立場から解説します。
■ 一般的に好まれるのは「南向き」「東向き」
昔から日本では、南向きや東向きのお墓が良いとされてきました。
南向きは日当たりがよく、明るく温かい印象を与えるため、「ご先祖様に陽の光が当たるように」という思いが込められています。
また、仏教の教えでは「東」は悟りや太陽を象徴する方向とされ、阿弥陀如来の西方浄土に向かう「東向き」も縁起がよいとされています。
このように、南や東は「明るさ」「生気」「安らぎ」といったイメージから、墓地でも人気の方角です。
霊園や寺院でも、できるだけ南向きに区画を設けているところが多いのはそのためです。
■ 北向きはなぜ敬遠されるのか
一方で、北向きのお墓は一般的に避けられる傾向があります。
その理由の一つが、「北枕」を連想させるためです。
亡くなった方を安置するとき、頭を北に向けて寝かせる「北枕」は仏教のしきたりに基づくものですが、日常生活では「縁起が悪い」と避けられることが多いですよね。
同じように、お墓も北向きだと「死や不運を呼ぶのでは」と感じる人が少なくないのです。
また、北向きの墓地は日当たりが悪く、寒々しい印象を与えることもあります。
こうした心理的な理由から、「北向きは避けたほうがよい」と言われるようになったのです。
ただし、実際には北向きだから不幸になるということはありません。
宗派や地域によっては、「仏様に向かって拝める方向が良い」として北向きを選ぶところもあります。
大切なのは、方角そのものよりも「ご先祖様を敬う気持ち」なのです。
■ 墓じまい・改葬で向きを考えるポイント
墓じまいや改葬の際には、新しい納骨先を選ぶ機会があります。
そのとき、方角をどうするかを考えるのもひとつの大事なポイントです。
「南向きが理想」と言われても、霊園の区画や地形の関係で希望通りにいかないこともあります。
そんなときは、お参りのしやすさや周囲の環境を優先すると良いでしょう。
たとえば、
- 坂道が少なく高齢の方でも行きやすい
- 近くに駐車場がある
- 手入れがしやすい
- 明るく清潔感のある場所
こうした点の方が、実際のお参りには大切です。
お墓は「方角」よりも、「ご家族が心安らかに手を合わせられる場所」であることが何より重要です。
■ 行政書士によるトータルサポートで安心の墓じまいを
お墓の向きや改葬先を考える際は、同時に行政手続きも発生します。
墓じまいでは、市区町村への改葬許可申請が必要であり、これは法律で定められた手続きです。
ここで扱う書類には、埋葬されている方の除籍謄本や墓地管理者の証明書など、個人情報が多く含まれています。
こうした書類を正確に準備し、役所に提出できるのは行政書士の仕事です。
石材店や葬儀社にはできない、法的に認められた専門手続きの部分を、行政書士が確実に代行します。
私ども行政書士室井実事務所では、墓じまいに関する書類作成のみのご依頼から、
離檀のご相談、永代供養先の選定、納骨法要までを含めたトータルサポートまで柔軟に対応しております。
もともと墓石業界に長く携わってきた経験を活かし、手続きだけでなく現場の流れや寺院とのやり取りにも精通しています。
「行政」と「現場」、両方を理解しているからこそ、安心してお任せいただけるのが私たちの強みです。
■ まとめ:向きよりも「心を向けること」が大切
お墓の向きには昔ながらの考え方がありますが、最も大切なのはご先祖様への感謝と敬意の心です。
どの方角を選んでも、その場所で心を込めて手を合わせることにこそ意味があります。
そして、墓じまいや改葬といった大切な節目のときには、法的手続きの専門家である行政書士にご相談ください。
費用はかかりますが、トラブルを防ぎ、安心してご先祖様を送り出すための確かなサポートをお約束します。
兵庫県を中心に、墓じまい・改葬・永代供養のご相談は、
行政書士室井実事務所へ。
お墓に関するお悩みを、法律と実務の両面からしっかりと支え、
ご家族の「安心」を形にいたします。